「人と」自然の妙


安国寺(豊岡市但東町)のドウダンツツジの紅葉が見頃を迎えている.近くから根元を見ることができないので,気になっていたこと「これ何本の木ですか」を今回尋ねてみた.斜面上部に2本の幹の根元があるようだ.雪の重みで押しつぶされて枝が斜面下方に伸びることで見事な形を作り出したもので,これぞ自然の妙ですねとの説明だったが,この斜面がちょうど本堂の陰になっているおかげで雪が解けにくいことも関係あるだろう.「人と」自然の妙というほうがふさわしいかもしれない.樹齢150年あるいは160年ということで,このドウダンツツジは明治維新かその少し前の激動の時代に植栽されたことになる.当時の住職さんは,150年後の現在の樹形を,そして方々から人々が紅葉を愛でに来る今日の安国寺の姿を予想していたのだろうか.

内藤和明研究室(植物生態学,保全生態学)

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